「ガンダムBF 逆襲のGM感想」

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ガンダムBF 逆襲のGM感想」

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昨日、正午に機動戦士ガンダムBFシリーズの特別編が、Amazonprime、バンダイチャンネルなど配信コンテンツで配信された。
瞬く間に、Twitterにおけるtrend入りし、まとめブログが更新された。

大人気ガンダムシリーズの中でも、人気の高い本作の魅力について私なりの見解と本編の感想を述べたい。

本作の魅力は、90年代王道の勇者シリーズと、少年の友情を描いている。と、同時にガンプラブームを再燃させた「プラモ狂四郎」など、過去の作品への畏敬を踏まえた幅広い層へのアプローチにある。
おそらく、現在、40〜50歳には、80年代の幼少期に見ていたコミックボンボンプラモ狂四郎のパーフェクトガンダム、レッドウォーリアなどの登場は懐古心を擽るだろう。この世代は、親子二代でガンプラを作れる世代へと昇華している。

しかし、本作のメインターゲットは、40〜50代ではない。明らかに80年代生まれで現在の30代中盤かた20代後半を意識した層が、コンシュマー(消費者)として狙っていることが考えられる。

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同作品の監督は、2009年のガンダム00を手掛けて映画化の快挙を成し遂げた三重県出身の黒田洋介監督だ。そして、その製作陣には、90年代の勇者王シリーズを手掛けた大張正巳氏を作画監督に迎えている。なので、90年代勇者王シリーズに加えて一部のファンで根強いタツノコ作品宇宙の騎士テッカマンブレード(90年代)フォルムでスリムであるが、アンテナ(角)や指先がシャープで洗練された70〜80年代の土管体型合体ロボットと異なるデザインだ。
この影響を受けた世代が、自分を含めた90年代に小学生だった世代だ。

その世代を意識した絵柄、少年達の友情と支える大人達と中身は、完全に勇者シリーズで、ガンダムプラモバトルで世界優勝を目指すという、当時のサッカーW杯と90年代スポーツブームなどの影響をもろに受けている。当時の作品は、コロコロコミックミニ四駆「レッツエンドゴー」にしても、こうした王道のくだりだった。

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さて、話を掘り下げると、この作品のコンセプトは、「僕が作って、俺が戦う」という二人の少年の友情の物語。いわば、ジャンプのバクマン方式だと考える。とはいえ、私は、直接読んだことはない。
その二人の成長を描く物語だ。

今回の「GMの逆襲」で登場する「スターバーニングガンダム」です。実は、この機体は、作中は完全オリジナルと言われていますが、このデザインは90年代の少年には、社会現象を巻き起こし金曜夕方17時のアニメにしては金字塔を打ち立てた機動武闘伝Gガンダム(94年)のシャイニングガンダムの御尊顔そのものです。
同作品は、前年の機動戦士Vガンダムが、富野由悠季作品であるにもかかわらず、スポンサーと揉めて、比類なき駄作と名高く、人が悲惨に死ぬだけのガンダムで、2ちゃんなどネットでは、その不幸な展開が、同年代に放送された「世界名作劇場ロミオの青い空などから、ガンダム迷作劇場などと揶揄された。
ガンダムバンダイも打撃を被り、プラモも売れない事態に陥ったガンダムブランドの窮地を救ったのが、三国志シリーズでヒットした横山光輝氏の「ジャイアントロボ地球が静止する日」(92年)を手掛けた今川泰宏監督作品だ。
今川監督が手掛けた機動武闘伝Gガンダム空前絶後の大ヒットを飛ばし、非宇宙世紀ガンダムと、当時コミックボンボンで連載されてシリーズ化されていた「武者頑駄無」シリーズで、自分達のような世代を新たに獲得した第二次ガンダム世代の誕生である。
その後、90年代には、機動武闘伝Gガンダムに続き95年には、新機動戦記ガンダムW、96年には機動新世紀ガンダムXと平成シリーズを打ち立てた。

そして、今回登場するガンダムBF「GMの逆襲」には、同90年代平成非宇宙世紀ガンダム機体が揃い踏みとなった。それに加えて、平成ガンダムの人気もデザインで自分もガンダム離れを買った∀ガンダム以降、ガンダムを救い平成のファーストガンダムと名高いガンダムSEEED(02年)のストライクガンダムに加えて続編のガンダムSEEDDESTINY(05年)からインパルスガンダムなど、バンダイと資本家の危機を幾度と救ってきた名作からピックアップされたガンダムが登場する展開となっている。

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■「GMの逆襲」

冒頭ロンドンで、ガンプラマフィアことGMの摘発が行われるが、そこはもぬけの殻だった。作品の尺自体が30分なので、本編アニメ並みに急ピッチで進めないといけないので、登場人物は揃い踏みである。紆余曲折を経て、GMと戦うという展開だ。

戦闘で離散しながらも、仲間を先に行かせる展開。80年代〜90年代ジャンプ作品で見ましたね。男塾、キン肉マンなど王道の展開です。その内容が、そのまま踏襲されています。

激闘のサイコジム。敵のラスボスは、巨大なジムでした。サイコガンダムガンダムシリーズのモブキャラないし、やられ役のジム。
しかし、この組み合わせは、間違いなく、伝説巨人イデオン(80年)でした。
以前にクロスボーンガンダムシリーズを手掛けた長谷川裕一氏のアムロジュドー夢の共闘としてメカZZとイデオンが戦うというとんでも作品が、間接的に実現しました。しかし、今回イデオンを倒すのは、90年代少年が歓喜したシャイニングガンダムです。

そして、見事、敵のラスボスを倒した後、本編で戦うことのなかったセイとレイジの対決です。僕が作って、俺が戦うというコンセプトの一歩先です。
過去のBFシリーズでは、作り手で、最終話以外は、レイジが戦闘でアシストだったセイが、見事にビルダーではなくファイターとして成長している話でした。特に、本編でレイジが得意とした腰のビームサーベルを逆向きにして相手に斬りつける技をセイが会得していたシーン。
激突するのは、スターバーニングガンダム(シャイニングガンダム)とビルドストライクコスモス(ストライクガンダム)と、ガンダム第二次世代とガンダム第三次世代を生んだ夢の機体同士の激突となった。
RGシステムというトランザムのような粒子放出で機体の性能を上げる機体同士で、見事に最後はレイズナーしてました。それに双方の蹴りのシーンは、見事にGガンダムの「流派東方不敗」でした。
そして、本作の必殺技であるビルドナックルで展開が終わります。レイジが消えるシーンを暗に揶揄して赤く光ってました。

補足として、レイジさん登場シーンは反則でした。現在30歳のおっさんですが、目頭が熱くなる王道の展開でした。また、三代目名人が、水陸両用機の下りで水中対決で水がシンナーのというのは、完全にプラモ狂四郎のオマージュでしたね。

最後に同作品を作ってくれた人々に感謝の気持ちしかないです。

よし!スターバーニングガンダム買ってくるぞ!

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https://youtu.be/yaKxzLFfNW4